トラーパニの食文化

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  ラ ターボラ シチリアーナ ~ シチリアでシチリア料理を学ぶ

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更新日 2008-08-01 | 作成日 2007-12-15

トラーパニの食文化

歴史上、様々な民族が通り過ぎていったシチリア。そしてそれぞれの民族が足跡を残していきました。ここトラーパニも例にもれず、アラブ人、ノルマン人、などなど、多くの民族が様々な独自の食文化を残していきました。ここでは、トラーパニを代表する料理や食材をご紹介します。

北アフリカから伝わる”Cous Cosu(クスクス)”


couscosu_incocciare.jpgクスクスを手でこすり合わせているところ アフリカに一番近い街といわれているトラーパニ。そのため、トラーパニではアラブから伝わってきた料理やドルチェがしばしば見かけられます。
その代表格CousCous(クスクス)。クスクスとは、セモリナ粉(硬質小麦)と水をこすり合わせ(incocciare=インコッチャーレ)、ツブツブ状にしたものをクスクシエラと呼ばれるクスクス専用ナベで蒸し、それにソースをしみ込ませた料理。セモリナ粉から作られるのでパスタの一種に分類されます。
クスクス トラーパネーゼは近海であがった新鮮な魚をたっぷり煮込んで作った魚介類のブロードをあわせるのが伝統。クスクスをセモリナ粉から手作りしている街は、シチリア内でも数少なく、トラーパニにきたら是非試していただきたい一品。ちなみに、トラーパニではクスクスは家庭でも手作りで作られ、フェスタ(キリスト教に基づくお祭り)には欠かせない家庭料理と言われています。

→マンマにクスクスを習う

古代製法で作るトラーパニの”塩”

murino.jpg塩を挽くため、水を移動されるために利用されていた風車トラーパニといえば塩、といっても過言ではないほど、トラーパニの塩は世界的に有名。トラーパニの塩は、現在も古代フェにキュア人から伝わった、と言われる古代製法で天然の塩が作られています。古代製法とは、海から塩田に水を引き入れ、天日を利用して海水を蒸発させていき、塩を作る製法。塩が作られる3つの条件、「太陽」「風」「湿度」を全て備えたここトラーパニでは、現在も手作りの塩が作り続けられています。

7月上旬の太陽の陽射しが強くなるころ、トラーパニ近辺の塩田では白い小さな塩の山が見かけられます。塩作りに欠かせなかった風車もまだ残っていて、広く見渡す塩田と風車の風景はとてものどかです。


→トラーパニの塩田を見学に行こう!

幻のにんにく ヌッビアの”Aglio rosso(赤にんにく)”

aglio.jpgトラーパニのメルカートにて、ヌッビアの赤ニンニクトラーパニの近くの街、ヌッビアで採れる赤ニンニクは、スローフー協会のプレディジオ(注)にも登録された幻の一品。一度は絶滅に瀕したこの赤ニンニク、地元の人とスローフードが協力して息を吹き返すことができたそう。

ピリッとした刺激と独自の香りのするこの赤ニンニク、トラーパニ料理には欠かせない一品。この幻の一品を使ったトラーパニ料理の代表格がPesto Trapanese(ペスト トラパネーゼ)。トマト、バジル、そしてこの赤ニンニクをベースとしたペーストは、Bujiate(ブジアーテ)という、トラーパニ近辺でよく作られるねじった形の手打ちパスタと合わせるのが伝統。

(注)スローフード協会により、絶滅寸前の食材として認定された、イタリア各地の伝統食材

→ヌッビアのにんにくでペストトラパネーゼを作ろう!

青リンゴ風味の”Olio di Oliva(オリーブオイル)”

olive.jpg元気に成長中のオリーブ達トラーパニ県(シチリアは9県に分けられている)は、隠れたオリーブオイルの名産地。シチリアのオリーブは、強い太陽の下に育つので強い香りと味、と思われがちですが、実際には逆で、優しくナチュラルな味がするのが特徴。トラーパニ近郊では、良質のオリーブが育てられ、青リンゴの香りやトマトの香りのするさわやかなオリーブオイルが作られています。

オリーブの収穫時期は10月下旬から11月にかけて(天候によって異なります)。イタリア北中部のオリーブ収穫に比べると若干時期は早め。この時期、フラントイオ(オリーブオイル精油所)では、1年分のオリーブオイルをつくるのに大忙しの時期であり、1年で唯一オリーブオイルを製造過程が見れるチャンスでもあります。

→オリーブオイル工場を見学に行く

日本で売っているクスクスって・・・?

クスクスというと、日本では「スーパーで売っている箱に入った乾燥した粒々状のもの」と思われがちです。トラーパニでは、あの箱のクスクスが使われる事はまずありません。クスクスは右の説明にもあるように、パスタの原料と同じセモリナ粉と水をあわせて粒々状にしたものを、蒸して作られます。日本で売られている「箱に入ったクスクス」は、一度蒸されたものを更に乾燥させて箱に入れているのです。言って見れば”インスタントクスクス”

粉から手作りしたクスクスは、やはり風味と食感が違います。トラーパニのマンマ達は「箱に入ったクスクスは邪道だわ」と言い、大切な家族のためにやはり粉から手作りするのが、家庭の伝統だそうです。

古代式塩の製法

1年の間に、塩の収獲が出来るのは、たったの1回。古代式の製法では、太陽の力を借りて塩を作るので、暑い夏にのみ収獲が行なうことができます。
まず、塩作りは、3月下旬頃から始まります。海に一番近い塩田(第一の塩田)に海水を引き込みます。そこの塩田で、塩の濃度が少し上がるまで天日干しします。次に少し陸に近い、第二の塩田に第一の塩田から少し濃度の上がった海水を移します。それと同時に、第一の塩田に海から新たに海水を引き込みます。第二の塩田の海水は、更に濃度が上げられ、第三の塩田に移されます。第三の塩田では、最終的に結晶化するまで天日で干され、塩が結晶化してきたら、スコップで小さな山に積み上げていきます。こうして収獲された塩は、翌年の春まで寝かされて、エグミを抜き、初めて出荷されます。
塩の収獲が見れるのは、6月下旬~9月中旬頃まで。1年という長い月日をかけて手作りで作られた塩は、とてもマイルドでどことなく甘みを感じます。

オリーブオイルの品種について

オリーブの品種は100種類以上あると言われています。実際、シチリアの中でも地域によって植えられている品種が違います。
トラーパニ近辺では、Cerasuola(チェラスォーラ)、Nocellara(ノチェッラーラ)、Biancolilla del Belice(ビアンコリッラ デル ベリチェ)の3種が多く植えられています。
当然、品種によって、作られるオリーブオイルの風味も変ってきます。
一般的に、トラーパニ近辺で作られるオリーブオイルの特徴は、「爽やか、青リンゴの香り、トマトの香り」と言われています。